「大学入試が変わる」ってなんのため?
変わる大学入試
今、大学入試制度改革が進められています。
大学入試制度が変われば、高校入試、中学入試も当然変わります。
これまでの入試制度は、
知識量を問う問題への偏りから脱し切れていませんでした。
だから、学校の授業では教科書で知識を伝える。
多くの学習塾では、
「この問題はこうやって解くんだよ」と、
定期テストに出る問題を1から10まで
丁寧に分かりやすく教え、覚え込ませる指導をしています。
今までは、これで学校のテストでは好成績が取れ、
その延長で高校受験、大学受験もなんとかなりました。
そういう教育を続けてきた結果、
子供たちから考える機会を奪い、
そして、主体性を奪ってしまいました。

例えば、
塾でよくあることです。
数学の問題が分からないと質問に来た中3生。
私:「どこが分からんと?」
生徒:「全部」
私:「問題は読んだかぁ?」
と尋ねると、
生徒:「読んどらんです」
私:「何で読まんと?」
生徒:「これ習っとらんです」
中1の一次方程式の簡単な問題です。
確かに教科書ではあまり見かけない問題ではありますが、
考えようともしていません。
一目見て「習ってない、ムリ」となっているのです。
そんな時は、
私:「はい、じゃあここまで読んで」
と文節ごとに区切りながら読ませ、
その都度意味を考えさせます。
そうするとわかる子も多いのです。
ですが、ちょっと形が変わると
「習ってないからできない」と決めつけ、
「思考停止」してしいます。
また、同じような、場面で
私:「はい、じゃあここまで読んで」
と言って読ませたときに、
「ん????」といった感じで
首をかしげる子もいます。
数学の文章題の意味を理解する読解力も
身についていないのです。
これは、
じっくり自分で考える機会が持てていないことも
原因の1つだと考えています。
今のままでは、日本に未来はない・・・
中教審の答申にもそういう内容のことが書かれています。

東京大学の入試問題です。
「ロボットはどんどん進化しており、
いろいろな仕事を人間に代わって、
しかも人間より上手に行ってくれるようになりました。
しかし、ロボットの能力がどんなに向上しても
人間の仕事として残る可能性が高い仕事もありそうです。
それはどんな仕事ですか。理由も答えなさい。」
今やロボット、AIをテーマにした話は、入試頻出の問題です。
ソフトバンクグループ代表の孫さんは、
2045年頃にはコンピューターの人工知能は、
IQが10000に達すると予測してます。
人間のIQの平均が100くらい、アインシュタインとか
レオナルドダヴィンチとかの天才で200前後だそうです。
また、その頃には、IoTも含めたロボットの数は世界の人口を上回り、
ペッパーくんのようなロボットがうじゃうじゃいるとも。
人工知能が人間の脳みそ100個分の知能を持ってしまったら
どんな世の中になるのでしょうか?
せいぜいIQ100前後の私の頭では
想像もできません。
現在も北朝鮮問題、トランプリスク、介護の問題、
さまざまな問題を抱えている日本。
これらの問題に対応しながら、
これからの想像もできないような変化への対応も迫られています。
つぎつぎと起こってくるさまざまな問題を前にして、
「習ったことしか出来ません」
と言うような子を育てていいのだろうか?
というのが、今の大学入試制度改革の本丸なのです。
習ったことをベースにして、
習ってないことを自分たちで考えて、
解決させていくような教育をしなければ
日本の将来はない。
教えたことを、ただただアウトプットできる事を
評価するだけの入試はもうやめましょうということです。
もちろん、
知識は大事です。
『のび~る』では
「粘り強く自分で考え抜く力をつける」
「使える力をつける」
ことを第一に考えて指導します。
そして、この力は、
変化の激しいこれからの世の中で
お子さんを10年後、20年後・・・と
生涯にわたって支え続ける力となります。
中学になると身につけるべき
知識や技能のボリュームがドンと増します。
習い事や部活などで忙しい毎日です。
学校の授業についていくためには
知識・技能を身につけることが優先されがちです。
早いうちから「考える力」「使える力」を
身につける取り組みをすることが大事だと日々感じているところです。
「教育とは、学校で習った事をすべて忘れてしまった後に、
自分の中に残るものである。
そしてその力を社会が直面する問題の解決に役立たせるべく、
自ら考え行動できる人間をつくること、
それが教育の目的といえよう。」 ―アインシュタインー